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見える化の工夫がサービスの品質を上げる

2023.01.04

情報の見える化が大事だということは広く周知されていることですね。

でも、実際の開発現場でそれがうまくできているかといったらそうではありません。

サービスやプロダクト(以下サービス)の開発では、認識合わせがスムーズに効率良くできることがサービスの品質にそのまま直結します。

これが本当の意味で理解されていないことが多いです。

では理想的な見える化とコミュニケーションはどういったものなのか、それは以下の3点が実現されていることです。


開発チームの全員が、

1:議論に必要な情報を同じ場所でいつでも共有できる

2:同じ場所でいつでも議論できる

3:議論の結果をすぐに反映してアップデートできる


これらを実現するために有用なツールがMiroとFigmaです。

サービス1つに対してそれぞれファイルを1つ作成し、以下の用途で使います。情報を集約してできるだけ1つにまとめることが重要です。

Miro:開発のためのリサーチ情報、ターゲット情報、メンバーの考え、その他UI以外の参考情報を配置する場所

Figma:現在のUI、新たに作るUI、操作フロー、その他UIに関する参考情報を配置する場所

※今後はどちらか一つで実現できる可能性もあります。


このような環境を整えることで、情報が分散せず全体を把握することが容易になります。そうすると、サービスの構造や流れ、矛盾などの認識合わせのスピードが格段に上がります。

多くの場合、サービスは複数の機能が組み合わさって成り立っています。その場合、どうしても機能ごとにあるいは担当者ごとに情報が分断してしまいがちです。この現象が起こるとたちまちチームの中で認識齟齬が起こります。

厄介なのが、認識齟齬が起こっていることを始めのうちは気づきにくいのです。何か問題が発生した時に気づくことになりますが、見える化が適切に行われていないと、どこに問題があったのかを紐解くことにも時間がかかります。


何事もそうですが、サービス開発は最初からうまくいくことばかりではありません。全体を把握でき、個々の考えが見える化されている環境が整っていればうまくいかない原因を早く特定することができます。

原因の特定が早くできれば、その分サービスを良くすることに時間を使え、認識齟齬を解消し、打開策を考えることができるのです。

情報の分断や属人化をなるべく無くして、本当の意味で効率的なコミュニケーションを大切にしていきましょう。

村上通子

株式会社toya代表取締役。課題解決の研修講師。デジタルサービスの支援プロジェクト数は100以上に及び、業界問わず本当に必要な課題解決ができる人材育成を推進中。2019年グッドデザイン賞受賞。