著作者:73c
著作者:73c
「説明を聞きたいわけじゃない」人に共感してもらうための伝え方
2025.2.16
人に何かを売り込んだり、プレゼンする時に、ひたすら「説明」する人がいます。
「説明」を繰り返したところで人の心は動きません。
人の感情はそんな風にできていないから。
例えば、車の販売店の場合、
売上がイマイチな新人営業マンは、お客さんに売りたい車の機能を頑張って説明します。
「5人乗りなんでスペース十分ですよ」
「燃費が25km/Lで長距離移動が得意です」
「最新のスマートキー搭載です」
・・・
一方で、たくさん売っている営業マンは、
「子供が成長して習い事が増えたりすると、意外と車内にスペースが必要になってくるんですよ、そんな時、この車だったら〜」
「一人で運転することが多い場合は、この車だと小回りがきくし、駐車スペースも取らないんで、原付感覚で乗れちゃいますよ。」
購入してくれた人のどんな問題を解決できるのか、その人にとって何がハッピーなのかイメージできることを伝えます。
人は説明を聞きたくない、イメージしたい生き物
日常の消耗品でない限り、人は自分の人生を良くしたり、より良い体験がしたくてモノを買います。
買うものがモノであっても、本当に欲しいのはそのモノではなく、
より良くなった自分です。
「それを手にいれるとどうなれるのか?」
この問いに具体的なイメージを与えられなければ、人はそれを欲しいと思わないし、共感しません。
人はイメージできると感情が動いて、ワクワクしたりそうなってみたいと思います。
そうなって初めて説明(スペック、期間、金額など)を聞く、
聞くというより頭に入ってきます。
イメージが先で思考は後
お店で洋服を選ぶ時も同じ。
最初にその服の素材(ポリエステル何%とか)をいきなり見たりしませんよね?
その服を着てどこに行って、どういう体験をして、どんな気持ちになれるかをイメージしたいんです。
そんな人間の性質を理解せず、いらん「説明」を永遠にする人がなんと多いことか。
あなたも何か買おうとしたり誰かのプレゼンを聞いた時に、ただ説明に付き合わされて終わったな〜という経験ありませんか?
そんな時は、話す人があなたに良くなる未来をイメージさせることができなかったということ。
これはどんな対象にも当てはまります。
モノ、商材、サービス、アイデア、企画、・・・etc
人にプレゼンして買ったり参加してもらうには共感を生むイメージが必要です。
最終的には思考を働かせて決断するけれど、最初に欲しいのは説明ではない。
イメージして感情が動いたら思考が発動する。
この順番を意識するだけで伝え方は大きく変わります。
村上通子
株式会社toya代表取締役。DX人材育成講師。デジタルサービスの支援プロジェクト数は100以上に及び、業界問わず本当に必要な課題解決ができる人材育成を推進中。2019年グッドデザイン賞受賞。